ここ数年で海外で働く方がかなり増えていますよね?少なくても10年くらい前までは海外就労というのは今ほどメジャーではありませんでした。
しかし、それから数年が経過して2023年の現在では海外で働く方がかなり増えています。それに伴ってカナダで働く方も昨今は年々増加しており、それにともなって海外就労の問題点も増加してきています。
具体的に時給が最低賃金よりも低い賃金になった、研修中の賃金が全く支払われない、国籍や宗教などが原因で面接に落ちた/受かった。残業代が正しく支払われない、残業時間が異常に長い。後で詳しく書きますが、上記はすべて違法になります。
この記事ではカナダでブラック企業で就職を回避する方法などを紹介するとともに、もし不運にも被害にあってしまったらどうするのか?ということを詳しく書いていきます。是非、参考にしてください。
(1)ブラック会社で被害にあう前に考えたいこと
まず、当たり前のことかもしれませんがブラックを避けることができればいいわけですね。でもこれが書くほど簡単ではありません。
ですが、全く方法がないわけでもありません。少し前にブラック企業を避ける方法という感じで記事にしていることを軽く再度かきます。
(A)ツイッターで情報を探してみる
少しでも不安があればツイッターでその仕事先の評判を聞いてみるのもありだと思います。例えばカレッジとヤングにあるXXXというお店なんですが、履歴書を出して面接まで進んでいるですが労働環境の評判を知っている方いますか?←みたいな感じで聞いてみるのは有効だと思います。
(B)グーグルマップなどの評価を調べる
他にもGoogleマップなどの評価を参考にする方法があります。”グーグルなどに会社の評価内は存在しないのでは?という意見もあると思いますが、これは会社によります。色々な会社の評価を調べてみると”この会社で働いていたという評価も意外と多いのにビックリします。”←詳しくは他の記事で紹介しています(一番下)。
(C)INDEEDの評価を参考にする
他にもINDEEDなどの評価を参考にする方法もあります、こちらは王道だと思います。ただし、ローカルのお店だと出てこないことがあります。
(D)従業員を常に募集している場所は避ける、実際に店内に行ってみる事
他にも実際にお店の忙しい時間帯に行ってみるのもいいと思います。このようにすることでお店を実際に見ることができますし、雰囲気を感じることもできるでしょう。
(E) 他にも日系ならe_mapleなどのクラシファイドで調べる
このE-MAPLEですが色々と情報が残っている可能性もあります。検索欄に”会社名を入れてみるとボロボロと出てくるケースもあるんですね。
また、ここで相談してみるのもいいかもしれません。(*注意、ただしこちらは炎上する可能性もあります)
(2)違法の可能性を疑う
職場で働き始めて何かおかしいと感じたらまずは以下の5点を意識してみてください 80%くらいがこの5つです。
ここでは、どのようにして違法の可能性があるのかを判断する方法を説明します。
(A)賃金が最低賃金以下である
2023年時では15.5ドルとなっています。日系の会社では業種に限らず違法賃金はあまり聞かない話ですが、それでもカナダではちょくちょく聞く話です。
*また、最低賃金は$15.5であるものの労働時間が多くて結果的に$15.5を下回る可能性があるケースもあるようです。
(B)収入がない期間がある(例:トレーニング期間や祝日)
(トレーニング期間)があるかないか、また祝日なども雇用形態や働き始めた日付によりますが、基本的には有給(*働いている期間などによって部分的の支払いになる)になるはずです。←そのためにここもしっかりと確認しましょう。下記さらにで深掘りまします。
(C)チップや残業代が適切に支払われてるか?
チップや残業代がちゃんと支払われているのかどうかや、減額になっていないか、また経営者が横取りしていないかなども確認する必要があります。
意図的かどうかに関わらず、個人的にはここが一番多いように思います。
(D)労働時間が多すぎるケース
こちらは割と希のようですが、就労ビザを出してもらった方々に多いケースのようで、中に週7日間で働いているケースもあるようです。あとで説明しますが、一般的な労働契約では1週間に働ける日数はMAXで6日間です(一部例外あり)
(E)国籍や宗教などが原因で昇進や昇給や評価が異なる
こちらは先ほどのDよりも希で少なくてもわたし個人の経験はないですね。ただし、ここも多民族都市のトロントではよく聞く話ではあります。
(3)労働基準法に違反している事
最低賃金の考え方について
上記で最低賃金の話をしたと思いますが、オンタリオ州の労働基準法ではほとんどの職種で$15.5が最低賃金になっています。また、この最低賃金はサーバーやバーテンダーなどの職種だからと言って$12.5ドル(2021年までこの賃金でOKでした)にはなりません。
実は、2021年の暮れまでお酒を取り扱う仕事の賃金は最低賃金を下回ることが可能になっていました。これはサーバーやバーテンダーがもらうチップの額が多かったからと言われていますね。←ただしこれも2022年から同一賃金になっています。
また下記から分かるように2023年10月から最低賃金が$16.55になります。
つまり現行でオンタリオ州で$15.5以下の時給であれば労働基準法に抵触している可能性が高いです。ただしインターンなどはここには入りません。
トレーニング期間や祝日は有給になるのか?
他にもトレーニング期間や祝日には賃金は払われるのか?という質問もあると思います。下記を見れば分かるとおり”あなたのポジションに関わるトレーニングなら”(例えば、サーバーのトレーニングやバサーのトレーニング)雇用者は賃金を払う必要があります。
ただし、数少ない例が許可ありのインターンシップなんですね(オンタリオ州)。
また他にも祝日はもらえるのか?という事を考えた方も多いのではないでしょうか?オンタリオ州の法律ではすくなくても国民の祝日の前日に働いていればもらえます。
**ただし、これは1日分の全額にはならないこともあります。なぜなら過去4週間の平均が有給としてもらえることになっています。**
つまり、国民の祝日に対して有給がもらえると言ってもその職場で国民の祝日の前日に働き出した場合には”たとえ一日$200を稼げても$10程度になってしまい、ほとんどもらえない”と考えてもいいレベルです。←ただし、少ない金額であるもののパートタイムでも有給がもらえるというのは覚えておいてください。
チップや残業代が適切に支払われてるか?
先ほど申し上げたとおり、ツイッターなどではここが一番の問題点になっているように思います。大きく分けて三つです。
お店の損害を従業員のチップから補填はできない
経営者/マネージメント側が従業員が万が一お店側に損害を与えてもチップからどの代金などを差し引くことはできないなっています。実は少し前までは可能でしたが、2023年の現在では改正されています。
経営者はチップを利益として計上できない
こちらもよく聞く話で経営者がチップを持って行ってしまったというケースですが、こちらも明確に労働基準法違反です。**ただし、例外があります、経営者がサーバーとして働いた場合です、経営者でも一従業員として働いた場合には一定のルールに従ってチップを受け取る権利があります。
経営者/マネージメントは一定の期間以内にチップを分配をする必要がある。
また、他にも経営者側は決められたタイムフレームでお客からもらったチップをお店のルールで従業員に公平に分配する必要があります。(注意:公平は額が均等という意味ではありません)
労働時間が多すぎるケース
こちらは割と珍しいケースですが、就労ビザなどを出してもらった方々に多いパターンのようです。一般的に1週間に従業員を働かせる事のできる時間は48時間となっています。
また、一般の従業員(マネージメントを除く)は44時間(週)以降は時給が50%増えます。
これも希にツイッターなどで週の労働時間が60時間以上となっている方の話も聞きますよね。←実は経営者と従業員の間で”合意があれば可能となっていますが、これは看護師などの特別な職種に限られると言いますね。
一般的には週に48時間、一日に12時間の労働がMAX(休憩時間除く)になっているようです。
(E)国籍や宗教などが原因で昇進や昇給や評価が異なる
また日本人労働者は短期の就労者として補充が簡単にできるから舐められている、という話もツイッター経由でよく聞く話になります。
もしこれが本当になら:訴えを起こせば簡単に勝訴できますが、問題として”それをどうやって証明するのか?という問題点も出てきます。
わたし個人が日系の会社で働いたときにどう考えても日本人だけ残業時間(無給含む)が多いのに奮起してどうしたら解決できるのか?をかなり長い期間、考えましたが決定的な証拠がないと勝負するのは難しいです。
そのために、わたし個人はその会社を辞めるという選択をしました。こちらの選択肢が一番、現実的で利があったんですね。
(4)行動するのは辞めるまで待った方が良い?
上記で違法労働の事を書いてきましたが、万が一あなたが上記のどれかに当てはまった場合にはどうするのか?と言うことをここで書いておきます。むしろ、ここが一番重要ですね。
”こんな職場はどうしょうもない!クソだな!とか言ってすぐにやめることができれば簡単ですが、それほど簡単でもありません。
なぜなら、上司や経営者にその件で口答えをするとそこですぐにクビになったり、パワハラに発展する可能性も捨てきれません。←そうですね、労働基準法といっても現実とはかなり乖離があるということになります。
そこでわたし個人が考えるステップに次の4つがあります。
(1)そこで働きながら他の職場を探す
まず、労働基準法違反が蔓延している職場で運悪く働いてしまった場合には”そこの職場で我慢しながら他の職場を探すと言うことがおすすめです。←人間きれい事では食っていけません、お金が必要です。当然、貯蓄に余裕があると事であれば問題ありません。
(2)働きながら証拠を集める
そこで働きながら、明らかに労働基準法に抵触している事実を探して証拠を残しておきます。例えば、携帯電話のテキストや電話の履歴など、例えば、トレーニング期間の賃金が$0のケースですね。
度々ツイッターで上がってきますが、その期間に給料をもらっていないなら、あなたの携帯のテキストなどから”そのお店で働いた事実があれば”その期間に賃金が銀行経由やチェックなどで支払いが行われていない事が確認できるはずです。これが証拠になります。
そのために、このような事実は証拠として後で使うことができます。他にもIPHONEなどの録音機能ですね。”あからさまに日本人や他の人種の方に対しては動きが遅いなどの誹謗中傷の発言を”録音できればこれも証拠になります。
(3)同僚に違法のことをこっそりと聞いてみる。
ただし、経営者などがうっかり忘れているケースもあります。実際の例では最低賃金の改定を忘れていて、ある特定の期間において賃金が最低賃金を下回ったケースですね。
こちらは日本人が上司にそれとなく、話を振ってそこから経営者に最低賃金の情報がいって晴れて一件落着となったケースを知っています。カナダでは毎年あがる最低賃金に経営者が追いついていけないケースもあり、うっかりと忘れているケース(チェックでの支払い)もあるようです。
(4)訴える準備をするのかどうか?
しかし当然、経営者が意図的に違法労働をしているケースもあるのが現状のようですね。その場合にはカナダ労働局に裁判という形で訴えを起こすのですが、こちらも現実と理想は話が違います。
(5)通報か示談かを考える
結果から話をすると悔しいかもしれませんが示談に持ち込むのが理想です。なぜなら下記から分かるとおり、最低でも3ヶ月間でケースによっては8ヶ月間も判決が出るまでに掛かるからです。
こちらの長い期間はとりわけ短期の就労者には厳しい期間ですよね?就労ビザが切れから判決が出てもカナダからすでに出国している可能性もあります。
また訴えたからといっても確実に勝訴できるとは限りません。オンタリオ州が用意している無償で相談できる弁護士などがいるようですが、決定的な証拠などが必要になってくるといいます。
ということであれば、”訴えますよ!証拠はあります”という話にして示談にもっていくのが一番賢いと考え方が必要になってくるように思います。
また、証拠があるからと言っても高圧的にでるのではなく、”選択肢がないという感じの交渉をする必要があります。
よく新聞で見るのが、労働基準法違反で訴え起こされた経営者が嫌がらせをする、中には暴行などの事件に発展したケースもあります。
そのために、訴えるならそのようにならないように、仕事をしっかり辞めてから行動するのがおすすめです。
(6)その他にも知っておいてほしいこと
上記のように労働基準法について、かなり色々と書いてきましたが”日本よりは労働環境はいい場所が多いがすべての職場がいいわけではないことを知ってほしいです。”
また少なくても個人の経験では残業で15分ていど、賃金なしで働いた事くらいは何回もあります。希にツイッターで完璧な職場を探している方は多いですが、現実と理想は必ずしもマッチしません。
そのために、そのことは覚えておいてください。
(7)カナダおじさんはできるだけアドバイスをします。
カナダに18年間にて、パワハラに近い職場も、新型コロナの真っ只中に対策が全くできてなく、従業員のほとんどが一日中咳をしている職場も経験しています。
自分で言うのもなんですが、カナダ就労では色々と修羅場をくぐっています。”本当に誰にも相談できないと言う方がいれば無理をしないでツイッターからご連絡ください”
まとめ
と言うことでカナダ就労での違法の労働環境について記事を書いてきました。賃金が最低賃金を下回るケースや、トレーニング期間が無給になるなどのケースを紹介してきましたね。
カナダでブラック企業を探す方法を書いています。
Gerd AltmannによるPixabayからの画像
Mohamed HassanによるPixabayからの画像
OpenClipart-VectorsによるPixabayからの画像
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