今回は、カナダおじさんの経済学のコーナーです。日本円は1970年以降に変動相場制に移行してから基本的に円高基調になっています。
ですので、今回は1970年台から2020年までの60年をやっていきましょう。
この記事を読んでいただくとカナダのドルの知識が付きます。あなたの留学に幸あれ!
1970年代の主な出来事(最高値1978年の150.51円)
ニクソンショックから変動相場制に移行した日本円は1971年から$1(アメリカドル)が360円から日を追うごとに円高になっていく。
そのために基軸通貨であるアメリカドルに沿って変動しているカナダドルもつれ安になりました。
1CADが360円程度だった1971年からたった5年間で150円までに円が高騰、この時期くらいからが海外旅行から一般的な物になる。
このころの日本経済は絶好調の高度経済成長期に位置する。一方、カナダ経済は高いインフレと低い経済成長に苦しめられていた時代のようだ。
ただし、1979年は円高が行き過ぎた影響か、1CAD=200円近辺まで戻している。それでも今に比べればかなりの円安であることには変わりはない。
カナダでは1970年代のオイルショック、また労働組合のストライキなども頻繁に起きたこともカナダドルが安くなった原因のもよう。
1980年代の主な出来事(最高値 1988年の93.35円)
アメリカ主導のプラザ合意で円高に誘導も日本の景気はまだ好調の時期のようだ、その反面カナダは1980年代の初頭からリセッション(不景気入り)になる。
日本円はアメリカドルに強い時代でカナダドルはアメリカドルに弱い時代だった。
その結果、日本円はカナダドルに対してまさかの100円割れ海外旅行が本当に身近なものになった時代だと思う。じっさいに1980年代から海外旅行や留学もかなり一般的になっている。
1980年代の日本経済は無敵と言えるほど好調で日本の土地神話はカナダの大学の経済の教科書にも載っているほど。この好調の景気はあと数年は続くことになる
1990年代の主な出来事(1995年に史上最高値の59.24円を付ける)
1995年の日本はまさにバブルの絶頂期でした。東京都の土地だけでアメリカを全土を買える、日本人は経済の獣!日本人は戦争で負けて、経済でアメリカに勝った。
三菱地所はロックフェラーセンターを買収し、ソニーはコロンビア映画を買収したなどなど、今で考えられないように事が一般的に行われていた時期のようです。
おおくのアメリカの新聞が日本は金でアメリカ文化を蹂躙している!と非難していた時代でした。事実、日本の経済は飛ぶ鳥を落とす勢で伸びていたようです。
その反面、カナダは高止まりする失業率とカナダ政府の財政難が重なり、1990年代初頭には1980年に陥ったリセッション(不景気)をまた経験することになります。またこの時期にカナダは国内の大きな問題を抱えていました。
そうです、ケベック独立運動です。この話はまた近いうちに書かせていただければと思いますが国が2つに分裂するかしないかの大事な選挙が1995年にあったわけです。(カナダはこの分裂をぎりぎりで回避)
飛ぶ鳥を落とす勢いの日本、世界的に見ても最弱のカナダとまったくの対極になり、この時期に日本円が戦後の歴史でカナダドルに対しての最高値、59.24円を付けます。(1995年の出来事でした)
事実、わずか四半世紀の間に日本円の価値はなんとカナダドルに対して6倍になってしまったわけです。(インフレを調整すれば、たぶんさらに)
これはその当時に海外で色々なものを買いあさった日本人がいたというのも納得できます。当時の25年前(1970年)に比べればカナダの実質の物の価格は日本円に対して6分の1に減価しているわけです。
2000年代の主な出来事(最高値69.54円)
2000年代の初頭はまだ、同時多発テロなどで北米の景気も足踏みの状況が続いていましたし、日本の経済が今ほどは衰退はしてない状態でした。
じっさいにカナダドルも今と比べるとこの時代の方が安い(円高)状況だったようです。ですが、その後にカナダと日本は相対的な経済状況になります。
カナダ政府の借金が問題で不景気に陥ったのですが、2000年代の中盤から原油の価格が上がりだします。
世界で原油の埋蔵量が多いカナダはこの勢いに乗って景気を回復させていきます。1990年代に慢性的な財政難で苦しんでいたカナダ政府は借金を相対的に減らしていくことになります。
反面、日本の経済は日本の失われた10年となり長期のデフレ期に陥ります。この影響で2008年(リーマンショックの少し前)には120円を超える極端な円安に【わたし個人もこの時はよく覚えています】なっています。
また、この時期には原油が高騰をしていてかなりの額のお金が投資資金としてカナダに流入していたと考えるのが一般的なようです。
カナダはこの時期に他のG7の国よりも円滑に動くことができ、リーマンショックを軽度の損害で乗り切っているようです。
実際にGDP の成長率をこの時期の日本と比べてみると2倍程度の差があります。その差が円安という形で現れたのかもしれません。
2010年代 主な出来事(最高値72.59円)
2010年代に入っても、原油が高い時期は数年は続きます。そのためにカナダの経済は好調でわたし個人もカナダ国内の原油の産地で数年間ていど働いていますが(アルバータ)、景気はすごく良かったですね
2011年に日本で東日本大震災が起こり、この影響で円高になります。一般的な国の場合には地震が起こるとその通貨は下がるのですが日本の場合には海外に資産がたくさんあり、それが逆流したと言われています。
その間にも原油は高止まりしているのでカナダの景気は良い状況が続いてました。
来る2013年、アベノミクスがいよいよ、動き出します。この政策によりかなりの円安になります。経済学によると、近年の金融緩和はほとんどのケースで最初は通貨安を誘発するようです。
そのために、アベノミクス3年目である2015年に1カナダドルが105円の円安に振れたようです。
その後に、日本の景気が少しづつ回復していく過程で原油の下落が起こります。そのために2016-2017年には円高になり、カナダドル安になります。そのために1カナダドルが70円台になるという事が起こっています。
まとめ
カナダドル円の60年を簡単にですが、調べてみました。やはり驚くべきは1970-1990年代ですね。
なんと円が6倍も高騰をしていました。ですが、その後にバブルがはじけて円安を誘発、2020年はその後に至ると言ったところです。
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