今回の記事はカナダの中部の都市であるウニペッグでのビリヤード場での勤務経験を紹介します。ウニペッグと言えば、その市内だけでマニトバ州の人口の80%が暮らしていると言われている都市になっていると言いますね。
ということであれば、ウニペッグ市内にギューッとつまった生活圏があるということになりますから仕事などもその部分で見つけやすいのかもしれないですね。
トロントのように通勤だけで毎日 1時間かかるとかはきついですよね。
今回もMayさんの経験談でビリヤード場の仕事です。
追記
この記事では就労場所がカナダのマニトバ州になっていますが2024年の最低賃金は15.3CADになっています。そのために、この記事で書かれる賃金は本来の金額よりも低く紹介されています。実際にはこの金額から30%程度は上がっていますのであらかじめご了承ください。
また2024年に15.8CADへ賃金が上がる予定です。
①賃金とチップ
賃金はマニトバ州の最低賃金である$11.95(2022年8月現在)でした。
チップは曜日やシフトの時間帯によって違いますが、$15~$150 程度でした。治安の良く無い場所だった為、チップをくれる人は余り多く無かったです。
また、お客さんの多くは元々チップをあげる文化がない国から来た人が多く、仕事量の割にチップは少なかったです。
②必要だと思った英語レベル
オーナーはエレトリア出身で同僚はアフリカ系やインド系の移住民や留学生が多かった事もあり比較的皆、崩れた英語を喋っていました。
その為そこまで高い英語力は求められず、おそらくIELTS5.5あれば働けると思います。そのために、英語がまだそこまで上達していない方々には割とおすすめの仕事なると思います。
③Duties(仕事内容)
ビリヤードテーブルの掃除
ビリヤードテーブルとスヌーカーテーブルは合わせて24台ありました。全テーブルを毎日ブラシとタオルで掃除する必要があり、全て終えるのに2時間はかかりました。
掃除中はお客さんの接客が出来ずチップが貰えない為、皆あまりやりたがらない仕事でした。ただやはりプロプレイヤーも良く来るお店だったので、常に綺麗にする様に心がけていました。
調理
このお店では食事も提供していたのですが、従業員の中で調理やサーバーなどの役目が決まっておらず、オーダーを受けた人が自分で調理しなければいけないという決まりでした。
その為、1人で働いている時に大量の調理の注文を受けた時などはとても大変でした。メニューは基本的に調理が簡単なものしかありませんでした。
1番人気だったのはChicken fingers basket というフライドチキン4つにポテトがついてくるセットでした。
お店限定のコンボがあったのですが、それはハンバーガーとポテトにジュースが付いてくるもので、作るのに手間と時間がかかる割には値段が安く、コンボのオーダーが来たのにチップが貰えなかった場合は最悪でした。
お酒作り
このお店ではお酒も提供していた為、カクテルなども自分たちで作る必要がありました。
ただ、メインはビリヤードのお店の為、カクテルは簡単なものしか無く、更に自動でお酒の量を測ってくれる機械があった為、忙しい店内でも比較的素早くお酒を提供することが可能でした。
治安の悪さからかお酒の値段は比較的安く、ハッピーアワーのビールやショットは$4.5、通常の時間帯でも基本的に$5、更にカクテルやインポートビールなどは$5.75とだいぶお手頃な価格でお酒を提供していました。
また、このお店の1番人気はバドワイザーというアメリカのビールでした。
スロットマシーンのチケットの交換
このお店ではスロットマシーンも計8台置いており、お客さんのチケットと現金を交換するのも仕事の一つでした。
客が持ってきたチケットを機械でスキャンし換金します。お金を渡す際は金額の間違えが無い様に必ず監視カメラの下でお金を数えます。
カメラ下で数える事により、後にお客さんから金額が違うと言われたとしても、カメラの映像を証拠として見せることが出来ます。
スロットはギャンブルなので中毒者も多くいました。
薬物を買うためにギャンブルをし、結果的に薬物にもギャンブルにもハマってしまうという悪循環も陥る人も多くいました。お店で注射器を見つけた事もあります。
ストック確認
キッチン、バーの食材やアルコールがそろそろ残り少なくなってきたなと感じたらその都度店長に報告します。
毎日ストックを確認しなければならない訳ではなく、気づいた人が気づいた時に報告をする形を取っていました。毎日確認するよりも、正直このやり方の方が効率的でした。
④この仕事をしていて良かったこと
このお店では店長が従業員を家族の様に扱ってくれていた為、みんな仲が良くアットホームな雰囲気の中で仕事をする事が出来ました。
また、常連のお客さんはほぼ毎日お店に来てくれており、友達に会う様な感覚で仕事に行っていました。
それからビリヤードの練習がし放題だったので、仕事終わりは良く、同僚とビリヤードをしていました。
常連のお客さんや店長がコツを教えてくれるので、ビリヤードの腕前が上達します。また、大抵スロットマシーンで大儲けした人はチップを沢山くれます。お金を換金するだけで沢山お金が貰えます。
⑤この仕事で良くなかった事
治安が悪い場所にあった事もあり、薬物中毒者やギャンブル依存症のお客さんの相手をほぼ毎日しなければいけませんでした。
お客さんが少しでも怪しいと思った際のID確認は必須で、他にも不審な人を追い出す為の口実としてメンバーシップ制だと偽ったりもします。
長く働いていると、どの様な人がトラブルを起こすのか一目で分かるようになります。厄介ごとを上手く回避する事も業務の一環です。
毎日のように罵声を浴びせられますし、人種差別される事も良くあるので、メンタルは物凄く強くなります。
どうしようもない時は警察を呼びますが、彼らは来るまでにとても時間がかかる為、当てにはなりません。護身術やトラブルをうまく対処する方法を身につけておく事がとても重要です。
また、広い店内に関わらず、朝は1人、夜は2~3人でお店を回していた為、仕事量がとても多かったです。
調理、お酒作り、接客、会計、掃除すべてをやらなければいけない為、ハードワークが求められました。
また、誰が調理をするか、お酒を作るか、など決まっていなかった為チップについて揉める事も多々ありました。
⑥どの様な人におすすめできるかまとめ
アットホームな雰囲気のある場所で働きたい方、メンタルが強い方にオススメします。カナダは治安がいいと思われがちですが、どんな場所にも影の部分はあります。
銃事件や殴り合いの喧嘩は当たり前に起きます。もしもの事が起きた際にしっかり自分の身を守る事ができるという人に向いている職場です。
後は、ビリヤードが好きな方にはピッタリの職場です。トーナメントが行われる事もあるので、プロプレイヤーとのコネクションも作れます。
⑦面接時の質問
どうしてここで働きたいと思ったのか、仕事経験の有無、どれくらいシフトに入れるのか、などを聞かれました。
ここのバイトは知人の紹介だった為、面接は割とラフな感じで行われ、即雇用してもらえました。カナダでの仕事探しはコネだと言いますが、正解だと思います。
欧米の映画などでビリヤードをしながらスコッチウィスキーあおるというシーンなどはあるあるですが、このような職場だとその映画のシーンが毎日のように見れるのかもしれませんね。
賃金は最低賃金であるものの、チップ込みであれば悪くはないと言うことがいえると思います。そもそも、ウニペッグがあるマニトバ州は物価も安めだと言いますからね。
今回もMayさんの経験談でビリヤード場の仕事でした。
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